書籍「地震保険制度」
2012年(平成24年) 1月27日 第1刷発行
高橋康文 著
2010年の事業仕分けで地震保険特別会計について検討することとされてから、その後のワーキンググループによる中間論議を経て、さぁ具体的にどうするか?というところで東日本大震災が起こりました。その結果、やはり安定的に保険金支払いを行うためには現行の特別会計は必要と考えられ、現行制度は維持される方向に風向きが変わりました。
この時点における日本の地震保険に関して、全体を網羅し、かつ正確に書かれている唯一の書籍ではないかと思います。
また、著者自身が地震保険の監督官庁に所属していた経歴もあり、この本で用いている資料はきちんとした根拠に基づくものであり、内容に関しても適当な憶測は一切含まれていません。
今後、東日本大震災の教訓等を踏まえて地震保険制度の改定が検討されることとなっていますが、その前提として現行制度を知るにも非常に役立つ本です。
【目次(抜粋)】
1.地震とその被害
1-1 地震発生確率
1-2 地震被害
2.地震保険と保険数理
2-1 保険数理/地震保険制度導入の経緯
2-2 地震免責条項
2-3 地震火災費用保険金
2-4 リスクカーブ/巨大地震と中小地震の区別
2-5 国が関与しない地震保険・共済
2-6 再保険市場等の利用
2-7 外国の自然災害保険制度
3.地震保険制度
3-1 地震保険制度
3-2 特別会計の経理
3-3 独立採算/収支均衡
4.地震保険制度をめぐる論点
4-1 特別会計
4-2 積立金
4-3 総支払限度額
4-4 保険内容
4-5 保険料率
4-6 普及
4-7 保険金支払の負担
4-8 地震が発生した場合の対応
4-9 地震保険制度と災害対策
5.おわりに
6.資料
6-1 阪神・淡路大震災後の議論の推移
6-2 参考文献・資料目次
6-3 参考法令等