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書籍・雑誌やネット等を読んで、「おっ!」とか「ほぅ?」とか「へぇ~」とか思った内容をメモることを目的に始めたブログです。

書籍「保険業法の読み方」

保険業法の読み方
実務上の主要論点 一問一答」
保険毎日出版社

2012年(平成24年) 6月11日 初版発行

錦野裕宗・稲田行祐 著

錦野裕宗
弁護士法人中央総合法律事務所 弁護士
(略歴)
1997年 3月 京都大学法学部卒
1999年 4月 最高裁判所司法研修所修了(51期)
    中央総合法律事務所(現弁護士法人中央総合法律事務所)入所
2005年 4月 金融庁監督局保険課出向(課長補佐、法務)
2005年 6月 弁護士法人中央総合法律事務所復帰
2007年10月 同志社大学法科大学院嘱託講師(保険法担当)
    現在は保険法、銀行取引法の2科目を担当

稲田行祐
弁護士法人中央総合法律事務所 弁護士
(略歴)
2003年 3月 早稲田大学政治経済学部卒
2007年 9月 最高裁判所司法研修所修了(60期)
2008年 5月 金融庁監督局保険課出向(課長補佐、法務)
    同庁法令等遵守調査室室員
2010年 6月 弁護士法人中央総合法律事務所入所
2011年 8月~2012年 6月
    保険会社のリスク処理と退出メカニズム制度研究討論会(中国保険監督管理委員会)客員研究員
2012年 8月 University of Southern California Gould School of Law 留学

 

この本の前書きで書かれているとおり、保険会社からの実際の相談をベースに保険業法上の解釈を説明しており、しかもとても分かりやすく書かれていて、実際に保険業に携わる人にとって直接の実務に役立てることのできる本だと思います。また、いわゆる学者が書く本ような堅苦しさや理屈っぽさはあまり感じません。
たまに読み返したり、何か疑問があった時に該当箇所を読んだりすると、新たな気付きがあったり、読んだけど忘れていたことを思い出したりとするめのような本です。

 

【目次(抜粋)】

第1部 論点一問一答
第1章 総論
 Q1 保険会社に対する規制について
 Q2 保険業法の目的について
 Q3 「保険業」の定義について
 Q4 保険会社の免許制について
第2章 業務全般
 Q5 付随業務について
 Q6 業務運営に関する措置について
 Q7 支払管理体制について
 Q8 アームズ・レングス・ルールについて
 Q9 子会社の範囲について
 Q10 不祥事件届出について
 Q11 合併について
 Q12 外国保険業者について
 Q13 保険会社の株式取得に係る規制について
第3章 保険募集
 Q14 保険募集について
 Q15 銀行窓販に関する規制について
 Q16 虚偽説明・重要事項説明義務について
 Q17 告知義務について
 Q18 特別利益の提供について
 Q19 比較表示について
 Q20 保険商品の販売勧誘に係る適合性原則等について
 Q21 構成員契約規制について
 Q22 表示規制について
 Q23 自己契約・特定契約規制について
 Q24 特定の代理店等に対する過度の便宜供与について
 Q25 社員代行等について
 Q26 作成契約について
第4章 その他
 Q27 団体保険について
 Q28 早期是正措置について
 Q29 保険会社の破綻手続について
 Q30 金融ADR手続き等について
 Q31 個人情報保護法について
第2部 対談「保険業法の精神を読み解く」
□「業務の健全かつ適切な運営」とは
□「支払業務を外部委託できない」とする論理
□機能的親近性・リスク同質性要件の検討
□銀行法にない「著しく」条件
□持株会社の規制はなぜ異なるのか
□やるべきことは情報提供
□法律が追いつかないポイント交換制度
□要件が曖昧なので常識感で判断
□加入勧奨に特別利益提供禁止は適用されない

この本で取り上げられていることのいくつかは私自身も業務を行う上で参考になり、いい本があったなと思っています。