読んで、おっ!ほぅ?へぇ~

書籍・雑誌やネット等を読んで、「おっ!」とか「ほぅ?」とか「へぇ~」とか思った内容をメモることを目的に始めたブログです。

書籍「損害保険研究 第75巻 第3号」

「損害保険研究 第75巻 第3号」
公益財団法人 損害保険事業総合研究所

2013年(平成25年) 11月

一言で言うと損害保険の専門誌です。
いろんなものが書かれているので自分の興味をひくものとひかないものがありますが、内容がディープなので、当たれば非常に参考になり、また勉強になります。
今回は当たりが多かったです。(私にとっては)

 

【目次(抜粋)】

回顧
 回顧録
 損害保険法制研究会の軌跡
記念論文
 ヨーク・アントワープ規則における 「救助報酬」の規定のあり方
 人身傷害補償保険の法的性質と商品性のあり方
 地震保険システムの構築にむけての試論
 保険会社グループ内取引規制に関する一考察
 海外保険者に対する参入規制の整合性
 原発事故風評被害のリスクマネジメント
 中小企業の国際化を支援する損害保険会社の 取り組みについて
 損害保険業における規模・範囲の経済性と参入・合併の経済分析
 Global Process Systems Inc v Syarikat Takaful Malaysia Berhad事件の意義
 スペースデブリ(宇宙ごみ)から生ずる リスクへの制度的対応
 ドイツ海商法改正の動向
 傷害保険契約における保険事故の意義
特別寄稿
 IAIS 第20回年次総会に参加して【報告】
<損害保険判例研究>
 ・認知症の影響を考慮した傷害保険金の割合的支払
 ・自賠法15条の自賠責保険金請求訴訟においても、裁判所において16条1項の請求と同じく支払基準に拘束されない旨判決した事案

 

自賠法15条の自賠責保険金請求訴訟においても、裁判所において16条1項の請求と同じく支払基準に拘束されない旨判決した事案』は、「損害保険研究 第75巻 第1号」の『何故、裁判所は支払基準に拘束されないのか』と類似の内容です。 ただ、私は今回のものの方が特にまとめの部分で実際の扱いが触れられていてしっくりくると思いました。










書籍「損害保険研究 第75巻 第2号」

「損害保険研究 第75巻 第2号」
公益財団法人 損害保険事業総合研究所

2013年(平成25年) 8月

一言で言うと損害保険の専門誌です。
いろんなものが書かれているので自分の興味をひくものとひかないものがありますが、内容がディープなので、当たれば非常に参考になり、また勉強になります。
今回は傷害保険に関するものが多く、またその内容も非常に興味深いものでした。

 

【目次(抜粋)】

<研究論文>
 傷害保険事故要件としてのaccidentalityの再考  傷害保険事故の外来性と急激性の関係
<研究ノート>
 戦前日本の保険業における企業形態の選択
 権利保護保険における弁護士選択の自由に関する一考察
 マンション管理組合の地震保険加入に関する一考察
<講義録>
 海外PL保険(2)
 保険・金融業界におけるストレスシナリオとストレスシナリオ
<損害保険判例研究>
 ・傷害保険における疾病免責が否定された事例
 ・タクシーから降車する際に転倒して傷害を負った事故において人身傷害補償条項の「自動車の運行に起因する事故」に該当すると認められた事例
<研究所事業所紹介>
 ・2012年度下期調査・報告書/損保総研レポート103号
 ・2013年度「損害保険研究費助成制度」応募受付のご案内



書籍「損害保険研究 第75巻 第1号」

「損害保険研究 第75巻 第1号」
公益財団法人 損害保険事業総合研究所

2013年(平成25年) 5月

一言で言うと損害保険の専門誌です。
いろんなものが書かれているので自分の興味をひくものとひかないものがありますが、内容がディープなので、当たれば非常に参考になり、また勉強になります。

 

【目次(抜粋)】

<研究論文>
 海固有の危険の概念と固有の瑕疵の概念との関係
 自動車保険加入時のリスク認知に関する調査
<研究ノート>
 D&OのグローバルリスクとD&O保険
 何故、裁判所は支払基準に拘束されないのか
<寄稿>
 東日本大震災を振り返って
<講義録>
 海外PL保険(1)
<損害保険判例研究>
 ・個人賠償責任保険における地震免責条項の解釈
 ・無保険者傷害保険契約に基づく保険金の額の算定方法と遅延損害金の利率
<研究所事業所紹介>
 ・損保総研レポート102号
 ・2013年度「損害保険研究費助成制度」応募受付のご案内

タイトルを見て、おもしろいかも!と思ったのは、『自動車保険加入時のリスク認知に関する調査』ですが、残念ながらそうでもありませんでした。
あまり大上段に構えずに、保険加入の動機の要因と集団別(事故経験あり/なし集団とか年齢別集団とか都会/田舎とか)の特性が調査されていたら、とてもおもしろかったかもと思いました。



書籍「あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店」

「あなたから保険に入りたいとお客様が殺到する保険代理店」
日本実業出版社

2007年(平成19年)10月 1日 初版発行
2009年(平成21年) 3月20日 第4刷発行

千田 琢哉 著

次代創造館 代表。イノベーション・クリエイター。東北大学教育学部教育学科卒。日系損害保険会社と経営コンサルティング会社に計10年間勤務した後、2009年1月に独立。経営コンサルティング会社では、多くの業種業界における大型プロジェクトのリーダーとして様々な経営戦略策定とそれらの実行支援で陣頭指揮を執る。述べ3300人のエグゼクティブを中心としたビジネスパーソンとの対話を通じて得た事実と培った知恵を活かし、“タブーへの挑戦で、次代を創る”をミッションとする次代創造館を立ち上げる。 「週刊ダイヤモンド」「保険毎日新聞」「新日本保険新聞」等にインタビュー、執筆記事が掲載される他、著書に『社長!この「直言」が聴けますか?』(日本実業出版社)、『THEサバイバル 勝つ代理店は、ここが違う!』(新日本保険新聞社)がある。講演実績多数。

 

保険代理店に対するコンサルティングの一例を垣間見ることができる本と言えると思います。
顧客の選別に関する内容は、読み方によってはリアル店舗としては収益性の観点から恐竜のしっぽは重視する必要はないと受け取れます。反対に、ネット募集は「ウェブ進化論」でいう恐竜のしっぽをターゲットにしていると私は解釈しています。

 

【目次(抜粋)】

1章 生き残るために、保険業界の常識から抜け出せ
 1 ダメ社長の共通点
 2 業界の常識に従うのは愚の骨頂
 3 あなたの現実・事実を正視しろ
2章 「考え方」を少し軌道修正するだけで未来が拓ける
 1 とにかく、やさしく・わかりやすく
 2 あなただから保険に入っている顧客の現実を知る
 3 「決断は早く」が善
3章 人を使えないと生き残れない
 1 ダメ社員を躍らせろ
 2 零細企業は頭が少々鈍くても性格のいい人を採れ
 3 タダで人を育てるとっておきの方法
4章 凡人でも無理なく自然に売れてしまう仕組みづくり
 1 ペコペコせずに売れる仕組みはここが違う
 2 「自社・顧客・競合」の真の姿を知る
 3 マーケティング・サイクルで契約がどんどん取れる
5章 マーケティング・サイクル構築成功事例3例の詳細
 1 コンサルティング実例1
 2 コンサルティング実例2
 3 コンサルティング実例3
6章 マーケティング・サイクルの果実の摘み取り方
 1 「欲しい・入りたい」という人に確実に売るだけでいい
 2 顧客をとりこにする究極のサービス
 3 「あなたから保険に入りたい」というリピーター・紹介がどんどん増える

 

多分、私はこの本の保険代理店の顧客になることはなさそうです。正直、この保険代理店だから契約する!ってのがピンときません。社会人になって以来、この代理店でという基準で保険に加入したということは一度もないので。
思い起こせば、会社補助(福利厚生の一環)があるから加入していたり、自賠責はどこでもよかったのでディーラーで契約(しかも引受保険会社は競合他社!)していたり、火災保険もどこでもよかったので手軽にできるところで契約してたり・・・

書籍「わかりやすい 新保険法ハンドブック」

「わかりやすい 新保険法ハンドブック
 ~保険契約はどう変わるのか~」
保険毎日出版社

2008年(平成20年)10月1日 第1刷発行

 

基本的に保険法の1条ごとの説明が書かれている本です。「保険法コンメンタール(損害保険・傷害疾病保険)」ほど深く掘り下げられてはいないのですが、こちらの方が読みやすく、また時折実務に即した内容の記載もあります。特に、たまに出てくる「@ひとやすみ@」は周辺の法令や慣習などと絡めて説明がされていてなかなかいいです。

 

【目次】

Ⅰ.はじめに(ポイントのQ&A)
 Q1 :保険法が制定(商法が改正)される趣旨や背景はどのようなことですか?
 Q2 :保険法と現行の商法との違いは何ですか?
 Q3 :保険法の対象となる契約とはどのような契約ですか。保険以外の共済契約も入りますか?
 Q4 :保険法は契約に関するどのような部分を規律しているのでしょうか?
 Q5 :保険法と保険業法はどのような関係にあるのでしょうか?
 Q6 :保険法には「強行規定」と書かれている部分がありますが、「強行規定」とは何でしょうか?
 Q7 :保険法の構成はどのようになっているのでしょうか?
 Q8 :保険法では、損害保険、生命保険、傷害疾病定額保険に分けて書かれてありますが、損害保険と生命保険、生命保険と傷害疾病定額保険では、それぞれ大きな規律の差はあるのでしょうか。主にどのような点が異なるのでしょうか?
 Q9 :傷害疾病損害保険と傷害疾病定額保険では、保険法の規律はどのような違いがありますか?
 Q10:保険法の施行によって保険募集や保険金支払の実務にどのような影響が生じるのでしょうか?
 基本的な用語の解説
Ⅱ.損害保険契約
 ⅰ.損害保険契約の成立
  1.損害保険契約等の意義
  2.損害保険契約の目的(いわゆる被保険利益)
  3.告知義務
  4.第三者のためにする損害保険契約
  5.遡及保険
  6.損害保険契約の締結時の書面交付(いわゆる保険証券の交付)
  7.保険料の支払い
  8.保険責任の開始
  9.クーリングオフ
 ⅱ.損害保険契約の変動
  1.危険の増加
  2.危険の減少
  3.保険価額の減少
  4.保険の目的物の譲渡
  5.保険金額の増減
 ⅲ.保険事故発生による保険給付
  1.保険会社の損害てん補範囲
  2.損害発生及び拡大の防止
  3.損害発生の通知
  4.損害発生後の保険の目的物の消滅
  5.保険会社の免責
  6.損害額の算定
  7.一部保険
  8.超過保険
  9.重複保険
  10.保険給付の履行期(いわゆる保険金の支払時期)
  11.残存物代位
  12.請求権代位
  13.その他の保険会社または保険契約者および被保険者の義務
 ⅳ.損害保険契約の終了
  1.保険契約者による任意解除
  2.重大事由による解除
  3.解除の効力
  4.保険料の返還の制限
 ⅴ.保険種類別に固有の事項
  1.火災保険契約に固有の事項(火災保険契約による損害てん補の特則)
  2.責任保険契約に固有の事項(責任保険契約についての先取特権
  3.責任保険契約に固有の事項(責任保険契約における保険者の免責)
  4.傷害疾病損害保険契約に固有の事項(被保険者による解除請求)
Ⅲ.生命保険契約
 ⅰ.生命保険契約の成立
  1.生命保険契約等の意義
  2.他人を被保険者とする生命保険契約
  3.告知義務
  4.第三者のためにする生命保険契約
  5.遡及保険
  6.生命保険契約の締結時の書面交付
 ⅱ.生命保険契約の変動
  1.保険金受取人の変更
  2.遺言による保険金受取人の変更
  3.保険金受取人の変更についての被保険者の同意
  4.保険金受取人の死亡
  5.保険金請求権の譲渡等についての被保険者の同意
  6.危険の増加
  7.危険の減少
  8.その他の保険契約の変更
 ⅲ.保険事故発生による保険給付
  1.被保険者死亡の通知
  2.保険会社の免責
  3.保険給付の履行期
 ⅳ.生命保険契約の終了
  1.保険契約者による任意解除
  2.重大事由による解除
  3.被保険者による解除請求
  4.解除の効力
  5.契約当事者以外の者による解除の効力等
  6.保険料積立金の払戻し
  7.保険料の返還の制限
Ⅳ.傷害疾病定額保険契約
 ⅰ.傷害疾病定額保険契約の成立
  1.傷害疾病定額保険契約等の意義
  2.他人を被保険者とする傷害疾病定額保険契約
  3.告知義務
  4.遡及保険
  5.第三者のためにする傷害疾病定額保険契約
  6.傷害疾病定額保険契約の締結時の書面交付
 ⅱ.傷害疾病定額保険契約の変動
  1.保険金受取人の変更
  2.遺言による保険金受取人の変更
  3.保険金受取人の変更についての被保険者の同意
  4.保険金受取人の死亡
  5.保険金請求権の譲渡等についての被保険者の同意
  6.危険の増加
  7.危険の減少
 ⅲ.保険事故発生による保険給付
  1.保険会社の損害てん補範囲
  2.損害発生及び拡大の防止
  3.損害発生の通知
  4.損害発生後の保険の目的物の消滅
  5.保険会社の免責
  6.損害額の算定
  7.一部保険
  8.超過保険
  9.重複保険
  10.保険給付の履行期(いわゆる保険金の支払時期)
  11.残存物代位
  12.請求権代位
  13.その他の保険会社または保険契約者および被保険者の義務
 ⅳ.傷害疾病定額保険契約の終了
  1.保険契約者による任意解除
  2.重大事由による解除
  3.被保険者による解除請求
  4.解除の効力
  5.契約当事者以外の者による解除の効力等
  6.保険料積立金の払戻し
  7.保険料の返還の制限
Ⅴ.その他
  1.保険金請求権の消滅時効
  2.保険会社の破産
  3.法律の施行日
  4.経過措置
巻末
 保険法
 附帯決議
  衆議院法務委員会附帯決議
  参議院法務委員会附帯決議
 損害保険協会・生命保険協会の消費者向けガイドブック

 

この本は保険法施行日(2010年4月1日)が決まる前に出版されました。そのため、今となっては意味の薄れた項目もあります。ただ、そのような早い時期に出版されたので、それはそれで重宝した本となりました。

書籍「保険業法の読み方」(P.104~105)

書籍「保険業法の読み方」
http://shkondo.hatenablog.jp/entry/2013/03/16/104027

第1 保険募集
 (略) 
結局は、当局の考えに従い、一連の行為の中で当該行為の位置付けを踏まえた上で総合的に判断されるべきものなのですが、私は、その一番のメルクマークを、個別の保険商品の商品内容を説明するか否かという点に置き、個別の判断を行っています。
設問の事例については、該当者が保険会社に顧客を紹介するのみであり、個別の保険商品の商品説明を一切行っていないのであれば、保険募集に該当しない行為と考えます。

 

保険募集は資格者が行う必要があるけど、保険募集にあたらない行為であればその規制は受けないことから、どこまでなら保険募集にあたらないのかということはよく問題になり、しかもグレーな部分が多いことかと思います。
この本では、現在の監督指針等を踏まえた著者の見解が上記のとおり書かれています。
一方、ちょうど今行われているの金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」(2012.6.29~)でもこのことは議論されており、現時点の資料では以下のとおり意見が出されています。
このあたりの規制も1・2年のうちにまた監督指針が改正されて変更となりそうな気がします。

 

○ 以上を踏まえると、次の①及び②をメルクマールとして、個別具体的な事例が「募集行為」に該当するか否かについて、総合的に判断していくことが考えられる。
① 報酬の受領などにより過度・不適切な勧誘・推奨がなされる可能性が高まるという観点から、保険会社又は保険募集人等からの(保険契約の成約に連動して支払われる等の)報酬を受け取るなど、保険募集人が行う募集行為と一体性・連続性を推測させる事情があり、かつ
② 保険募集人による保険商品等の説明の理解を困難にするおそれがあるという点を踏まえ、一定の資質を要する者が行う必要がある行為に限定する観点から、具体的な保険商品の推奨・説明を行うもの
○ 上記に加え、広義の保険募集プロセスのうち、募集行為に該当しない紹介行為や比較サイト等の商品情報提供サービス等(以下「募集関連行為」という。)についても、保険募集プロセスが全体として適切に行われるよう、保険募集人等に対しても委託先管理責任等の体制整備義務を導入することにより、不適切な紹介行為等を排除することが考えられる。

書籍「保険業法の読み方」(P.134)

書籍「保険業法の読み方」
http://shkondo.hatenablog.jp/entry/2013/03/16/104027

適合性原則は、以下のとおり分類され理解されています。
①狭義の適合性原則
 ある特定の利用者に対しては、どんなに説明を尽くしても一定の商品の販売・勧誘を行ってはならない。
②広義の適合性原則
 販売業者は利用者の知識・経験・財産力、投資目的等に適合した形で販売・勧誘を行わねばならない。

 

以前に第三分野商品の不適切な不払いが問題になった時や現在の金融審議会「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」(2012.6.29~)で議論されている内容でしばしば「適合性原則」が出てきます。その内容を正しく理解するには、狭義・広義の適合性原則の定義を知り、どちらの適合性原則を指しているのか分かっている必要があります。
この本では、現行の保険業法や監督指針などでは適合性原則に関する規制等がどうなっているのか?についてまとめられています。こういう説明でありがたいのは、ないものはないと書かれていることです。あるものは該当を見つければ済みますが、ないものを示すには全てを探した上でなければ結論が出せないためしんどいので。
余談ですが、最近マスコミ等で問題視されている乗合代理店の件(「保険商品・サービスの提供等の在り方に関するワーキング・グループ」でも取り上げられていますが)は、正に適合性原則が確保されているかの問題と私は思っています。
このあたりの規制は1・2年のうちにまた強化されそうな気がします。